怖いものと安らぐもの
　誰に教わるものではなく、何か怖いものの形や音、毒のあるものの色や匂い、そういった感覚を、個人差はあるにしろ、私たちは生来的に持っているものだ。逆に、心休まる色や形や音や匂いといったものもある。

　いわゆる五感という、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の各感覚器官を総動員して危険予知をしているといってよかろう。それは、何十億年と生き抜いてきた知恵を遺伝子が引き継いできたからに違いない。

　五感が "良" とすれば、緊張を解き、しばしの安らぎを得る。また、"否" となれば、緊張感をもってことにあたるのである。この知恵なくして、今の私たちは存在しなかったに違いない。

　cf. 安らぎあればこそ





男女の感覚の相違
　ヒメオドリコソウには悪いが、私の第一印象は、危険な植物の範疇のものとして見えたのである。どこがと言われると、赤っぽい茎の色や葉の色になろうか。


　ヨウシュヤマゴボウ も同じ印象をもったものだった。赤紫色のつるリとした 茎 を初めて見たときに毒があると直感した。大した毒でもないのだが、直感は当たっていたのである。

　驚いたことに、このことを話したら 『えーっ、どうして？』 と逆に驚かれたことがある。野に生えているものを見つけて、『庭に植えたいのだが ・・・ 夫が嫌がるし ・・・ 』 などという会話を耳にしたときだ。男性と女性では危険予知の感覚も違うのだろうか。

　それが今は、ヒメオドリコソウも可愛いと思うようになったが、ヨウシュヤマゴボウ については、いまだだに馴染めない。

　わざわざそばに置いて愛でるような気には、今のところ、なれそうにないのである。これは一般の男の感覚なのか、機会があれば確認してみたい。

　cf. ジェンダー gender